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COG > Report > 2006 EUROBIKE -ヨーロッパの自転車文化-
 

ヨーロッパの自転車文化

自転車の旅
  ヨーロッパでは、自転車で旅をする人が多くいます。
日本では<自転車の旅>というと若者がテントを張って旅をするイメージが強いですが、ヨーロッパでは自転車で旅をすることは特別なことではなく、レクレーションのような気軽さが見受けられます。
週末やまとまった休みなどを利用して、家族や仲間と一緒に旅をしているシーンをよく見かけました。
普段乗っている自転車に、スポーツバックやボストンバックをくくりつけて走っています。旅を繰り返すことによって、自転車がスポーツバイクになったり、バックがパニアバックになったりとステップアップしているようです。
  道路は、車道とは別に自転車専用道路が設けられているところもあります。郊外の交差点には、町の名前と距離が表示され、地図を見なくても目的地へ行けるようになっています。
湖畔の周りや川沿いには、地図とリンクしているサイクリングロードがあったり、公共の電車に自転車ごと乗せられることも気軽に旅ができる理由でしょう。
老若男女、大勢の人が、それぞれの力量や時間や予算を合わせ、旅を計画しているようです。
例えば今回見た風景では、ホテルの朝食ビッフェにて、レーパン、ジャージの姿の紳士がいました。そのスタイルを周りは、特別視していません。
  また、車を運転する人にも理解があります。6年前にヨーロッパを自転車で旅をしたとき、その運転には感心しました。そんなに大回りしなくてもいいのにというほど、自転車をカバーして追い抜きます。対向車がきたときには、スピードを緩め対向車が過ぎてから自転車を追い抜きます。そのような運転ができるのは、普段からその運転手も自転車に乗っているからだと思います。
日本は、これ以上道幅が広くなることは期待できないので、このように旅やスポーツしての自転車に乗る人が増えて、車を運転する人にも理解が深まることを私は望んでいます。

駐輪場
  ヨーロッパの駐輪場は、自転車にスタンドがついていない自転車を前提として設置されています。
日本でも街中の地下などに駐輪場が増えてきましたが、多くはスタンドがついている自転車を設定しているものです。しきりには、1台1台停められるようになってはいますが、中にはスポークに負担がかかるようになっているものもあり自転車にはよくありません。
  チューリッヒ駅前、ボーデン湖畔近く、ウィーン中心街の駐輪場には、工夫された駐輪の停め方をしていました。ハンドルを引っ掛けワイヤーがついているもの、MTBもロードもどちらもOKのもの、シートステイをつかむタイプ、前輪を置くタイプなどがありました。
また駐輪場ではないところに駐輪した場合、人目につくので外れるものはすべて盗まれ、残るのはリムだけという自転車もありました。
  チューリッヒで見た駐輪場には、レンタルバイクも併設されて、大手企業がスポンサーしていました。
ウィーンの中心街では、あちらこちらにレンタルバイクのステーションが設けられ、どこから乗ってもどこへ返してもよいシステムになっていました。
街中では、高級スポーツバイクが駐輪しているのを見ませんでした。
  日本では、スポーツバイクが普及してきても駐輪場には、ママチャリを対象に設置されているところが多いようです。今後新しく設置するには、スタンドがある、ないにかかわらずに駐輪できるようになれば便利だと思います。しかし、盗難や傷つくことに恐れている大事な自転車であれば、そこらへんに置き去りにしないほうが良いでしょう。

家族で自転車の旅

自転車の旅姿

夫婦で自転車の旅

シートステイをつかむタイプの駐輪場

人目につく場所に置くとすべて取られる

街中にいくつもこのようなステーションが設けられていた