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2008 ジャパンカップサイクルロードレース

2008年10月25日(土)会場:宇都宮市森林公園周辺周回コース 天気:くもり
オープン女子:42.3キロ=14.1x3周
エントリー:20名 出走:16名 完走:7名 結果:DNF

スタート前、沖選手の引退セレモニーが行われた。
花束が贈呈されている姿を女子選手集団の後方から見届けた。
日本女子選手、誰にも負けないで11年もチャンプだった沖選手が引退することが本当だった。
強いままの引退は信じられないが、その記念のレースに同じスタートラインに立てて光栄だ。

12:02 女子レースがスタート。
去年のジャパンカップのような弾丸スタートではなく、
今年の全日本の広島の下りスタートですぐに中切れでもない。
私は落ち着いて先頭を走る沖選手の背中を見ることができた。
<こんな小さい背中だったんだ...>
沖選手を取り囲うように、古賀志林道を集団で掛け登る。

中腹あたりから集団のスピードについていけず、私は遅れをとった。
下りに入り、前日の雨でまだ乾いていない路面とコケに慎重になり
下りの感覚も少し衰えていて、スピードが落ちた。
すぐに前の選手が見えなくなってしまった。
国道に入り、前の二人が見えた。
去年と同じくらいか、もっと距離があるなと思う。
後ろは見えない。単独で走る。

平地を走り、鶴CCの登りを越え、ホームスストレートに入り、2周目。
残りの力を振り絞って、古賀志林道を登る。
国道に入り、判定する車から失格が告げられた。
去年よりも短い距離でのタイムアウトだった。

沿道の声援の中で名前がたくさん呼ばれた気がした。
おかげで、がんばれました。
弱くて情けない私に、応援をありがとうございました。

そしてゴール地点へ向かいレースが終わるのを見届けようとしたが、見知らぬ人から身柄を拘束されるのであった。。

沖美穂選手

11年間、日本チャンプを守り続けた日本女子で初めてのプロロードレーサー。
シドニー、アテネ、北京オリンピック代表選手でもある。
数々の世界女子ロードレースに参戦して成績を残した。
欧州の女子ロードレースが数多くあることを彼女の活躍で、私も知ったのもある。
しかも欧州の女子ロードレース界でもトップクラスの沖選手。
<世界のスピードってどんなだろう>
ただ自転車に乗って楽しくて延長上にレースがあった私に、
世界を走っている日本一の沖選手と走らなければ
レースの意味はないと思うほど衝撃的だった。
私はレースにはならないが、集中力とか、オーラというか、
気迫というか、パワーとか感じられた。
ジャパンカップ2回と全日本とで、3回。
私にとって一緒にスタートラインに立てたことは、貴重な価値となった。
あまりにすご過ぎて、目標とか、尊敬とか、憧れとか、崇拝しているとかはではない。
映画のスクリーンにでるような海外で活躍する日本人女優のような。。
彼女のロードレースに対して本気で取り組む姿勢は、私も志していきたいと思う。
少しでも彼女のような強さを、私も持ちたいと思う。

沖選手は今回のレース、3周目でチェーンを落とし、一旦自転車から降り、
先頭2人に登りで追いつき、鶴CCで2位の選手を振り切ったそうだ。
まだまだ無限大のパワーを持っているはずと感じずにいられない。

そんな沖選手と最後は間近に会った。
「お疲れさまでした。おめでとうございました。」
ドーピングコントロールの車から出てきた沖選手にそう言うのでいっぱいだった。
その後に私がその車に入るのだった。。

アンチドーピング検査

「あなた、186番の高島さんですね。」
私はタイムアウトを告げられて、ゴール地点でレースの終わりを待ち受けていた。
見知らぬ方に言われ取材か何かかなと思ったら、JADA(日本アンチドーピング機構)の検査員の方だった。
もう逃がしませんー、といったような雰囲気でタイムも計り威圧感がある。

ジャパンカップのオープンレースでは、優勝者とレース出場者の中からランダムに数名抽出されてドーピング検査がある。
今回、優勝者を抜かした15人中の二人のうちに私が当たった。
普段の生活からドーピングに引っかかるようなものは、摂っていないが、
禁止薬物には風邪薬や胃腸薬に含まれるものもあるので、レースの72時間前は意識していた。

検査員から通告を受けたら、30分以内に検査テントへ向かわなければならない。
「身内の方か関係者の方、一人つけた方が有利です。」
何のことかわからないが、応援に駆けつけた夫にちょうど合ったので、同行してもらった。
検査車両に向かい、横のテントで順番を待つ。記録用紙に住所、電話、生年月日を記入。
車両から沖さんがでてきた。入れ替わりで私が入る。

薄いカーテンだけの仕切りで、監視のもと、尿をとった。
監視員は女性で、学校の保健室の先生みたいな方で、落ち着いて(?)できた。
その後は、尿をつめるボトルを選び、何も入っていないこと、封印、番号を確認して移す。
尿の比重を確認。
記録用紙に検査員から聞かれるまま答える。
一週間以内に摂った医薬品、サプリメントなど申告。
あとは本人サイン。
それが正確かどうかということ、同伴した夫にもサインをした。
私は初めてで、係りの検査員の方も初めてのようで、手際が悪く時間がかかったように思えた。

JADAでもありJCF役員でもある監視員にお話しを聞いたりして、これもまたひとつ経験となった。
もし、結果に疑いがあるようだったら3日から一週間以内に連絡が来るとのこと。
今のところ何も無い…。